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特集


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文=芳尾太郎・日本版編集部 画像提供=東京大学天文学教育研究センター

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2006年には宇宙からの観測も開始

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 赤外線でしか見えない未知の宇宙に、日本の天文学者も果敢に挑んでいる。ハワイ島マウナケア山頂では、国立天文台が1999年に開設した「すばる望遠鏡」が大型望遠鏡の強みを生かした観測を続けている。また2006年2月にも赤外線天文衛星「アストロF」が宇宙に飛び立ち、観測を始める予定だ。
 現在の宇宙望遠鏡の問題点は、口径が大きい望遠鏡を打ち上げるのが難しいこと。望遠鏡の解像度は反射鏡の口径で決まるため、赤外線のうち地球に届く「近赤外線(波長の短い赤外線)」を観測するなら、今のところ地上の大型望遠鏡の方がより詳しい情報が得られる。すばる望遠鏡は口径が8.2メートルと、スピッツァー宇宙望遠鏡の10倍近くあり、近赤外線の観測では世界随一の実績を残している。
 2005年7月には東京大学などの研究チームがこの望遠鏡で、近赤外線の観測史上で最も暗い24.7等級の天体をとらえたと発表した(上の写真の白丸)。地球から100億光年(1光年は約9兆4600億キロ)ほど離れた天体である可能性が高い。すなわち今見えている光は100億年前の天体が放ったものだ。「当時の宇宙でこれまで見つかっていたのは極端に明るい銀河だけ。今回初めて、100億年前の標準的な銀河の姿を観測できた」と、東京大学天文学教育研究センター助教授の小林尚人さんは言う。今回の観測で数えた100億年前の空間当たりの銀河の個数は、現在と大きく変化していなかった。これは、銀河同士が衝突を繰り返したのではなく、“静かに”進化したという説を裏付ける証拠の一つとなった。
 また、名古屋大学が南アフリカ共和国に建設した近赤外線望遠鏡「IRSFシリウス」は、すばるとは目的が異なり、宇宙をくまなく観測して“地図”を作り、特徴のある天体を探すことが大きな役割だ。
 そして、日本も2006年には宇宙からの赤外線天文観測に乗り出す。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が赤外線天文衛星アストロFを打ち上げる。スピッツァー宇宙望遠鏡が主に狭い領域を細かく観測するのに対し、アストロFは全天をくまなく観測して地図を作ることを得意としている。「これまでの赤外線の全天地図に比べて数倍から数十倍高い解像度の地図を作成できるので、新しい魅力的な天体が見つかるはず」と、JAXAのアストロFプロジェクトマネージャーである村上浩さんは期待する。

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関連リンク

すばる望遠鏡のホームページ
http://www.naoj.org/j_index.html

24.7等級の天体発見のニュース・リリース
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/info/ssdf.html

近赤外線望遠鏡「IRSFシリウス」のホームページ
http://www.z.phys.nagoya-u.ac.jp/%7Esirius/

JAXAの赤外線天文衛星「アストロF」のホームページ
http://www.ir.isas.ac.jp/ASTRO-F/Outreach/index.html



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