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世界17カ国の消費者の
環境意識・行動調査「グリーンデックス2009」
日本は15位 インドとブラジルがトップ 最下位は米国
2009年5月14日 (米国東部時間5月13日12時)

米国ナショナル ジオグラフィック協会と国際世論調査機関グローブスキャンはこのほど、消費者の環境に関する行動を評価・比較する「グリーンデックス(Greendex)2009:消費者の選択と環境――国際比較調査」を行い、その結果をまとめました。この調査は「住宅」「交通」「食品」「消費財」という4つの部門における65の指標によって消費者の行動を総合的に評価するもので、2008年に続いて二度目の実施となります。今回は前回より3カ国多い17カ国の平均的な消費者を対象とし、自らの意志による行動と周囲の状況に左右される行動のそれぞれが環境にどのような影響を与えるかという観点から、消費行動を評価しました。その結果、比較可能な前回の対象国である14カ国のうち13カ国で、環境に配慮した行動が増加していることがわかりました。

今回行われた「グリーンデックス2009」では、総合得点が高い順にインド、ブラジル、中国という経済成長が続いている国が上位を占めました。一方、順位が低かったのは下から順に米国とカナダ、日本でした。また前回の調査結果に比べて、環境と調和した持続可能な消費行動に大きな進展があったのは、スペイン、ドイツ、フランス、オーストラリアで、反対に得点の伸びが小さかったのはロシアとメキシコでした。またブラジルは、前回の対象国14カ国中、唯一、得点が2008年より減少しています。

全般的に2009年の得点が伸びた大きな理由は、「住宅」部門の得点が改善したためです。つまり、家庭におけるエネルギーや資源の消費について、環境に配慮した行動をする人が増え得点が上昇したということになります。「交通」や「食品」、「消費財」部門での変化は項目によって異なり、改善されたものもあれば、悪化したものも見られました。また今回の調査結果から、この1年間で消費者が環境と調和した持続可能な消費行動をとるようになった理由は、コスト意識の高まりと環境についての懸念であることがわかりました。

今回の調査には、日本、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、英国、ハンガリー、インド、メキシコ、ロシア、スペイン、米国という前回対象の14カ国に加えて、新たにアルゼンチン、韓国、スウェーデンが加わり、計17カ国の消費者が参加しています。調査は、各国1000人ずつ、合計1万7000人の消費者に対し、インターネットを通じて、「住宅」「交通」「食品」「消費財」について、どのような行動をしたか質問に答えてもらうという形式で実施しました。それぞれの消費者の回答は、行動パターンが環境に与える影響によって分野ごとに得点として算出され、グリーンデックス得点(どれだけ環境と調和した持続的な消費行動をとっているか)として集計され、100点を満点として算出されます。この調査は毎年、定期的に実施され、過去のデータと比較することで、環境に配慮した消費行動が各国および世界規模でどのように変化しているかを継続的に把握できるようになります。

グリーンデックス調査では消費行動を「消費者の自発的選択」と「周囲の環境に左右される選択」という両面から評価します。「消費者の自発的選択」とは、物を買い換えずに修理して使う、洗濯に冷たい水を使う、環境に配慮した製品を選ぶなど、消費者自らの意志により行われる行為を指し、「周囲の環境に左右される選択」とは、住んでいる土地の気候や環境に配慮した製品の入手しやすさ、公共交通機関の整備状態などを指します。この2つの要素を分析した結果、65の指標のうちの60%は消費者自身の選択や任意の行動によって変動することがわかっています。

<2009年の調査結果>
2008年、2009年ともに調査が行われた14カ国のうち、ブラジルを除くすべての国々で、グリーンデックス得点は前回よりも上昇しました。ブラジルはわずかに下がって、国別総合ランキングでは前回の1位から2位となりました。

■調査対象17カ国のグリーンデックス得点

順位
調査対象国 2009 2008
1位 インド 59.5 58.0
2位 ブラジル 57.3 58.6
3位 中国 56.7 55.2
4位 アルゼンチン 54.7 未調査
5位 韓国 54.6 未調査
6位 メキシコ 53.8 52.7
7位 ハンガリー 53.3 51.7
8位 ロシア 52.0 51.1
9位 スペイン 51.4 48.0
10位 ドイツ 51.1 48.1
10位 スウェーデン 51.1 未調査
12位 オーストラリア 50.5 47.8
13位 フランス 49.5 46.5
14位 英国 49.4 48.2
15位 日本 49.3 47.4
16位 カナダ 47.5 46.3
17位 米国 43.7 42.4

今回の調査では、2008年秋以降の世界的な金融危機が結果に大きな影響を及ぼし、ほとんどの回答者が、自国が直面している重大な問題のトップに「経済」を挙げ、その傾向は前回2008年の調査より強くなっています。一方でこうした経済危機が、結果として環境問題にはプラスに働いていると思われる例も数多く見られました。たとえば「この1年間で、家庭で使うエネルギー消費量を減らした」と答えた人のうち、その主な理由(2つを選択)のうちの1つにコストを挙げた人は約80%にのぼります。また「この1年間で、自動車に使用する燃料の消費を減らした」と答えた消費者のうち、約4分の3がその主な理由(2つを選択)のうちの1つにコストを挙げました。さらにアルゼンチン、メキシコ、韓国、中国の4カ国では大多数の消費者が、2008年前半の燃料価格の急騰によって日常使う交通機関を恒久的に変更したと答えています。

こうした結果について、ナショナル ジオグラフィック協会のテリー・ガルシア副理事長は、「経済環境が激変したことが環境にプラスに働いているのは興味深いことです。しかし経済が回復したあとも、消費者がこうしたプラスの行動を続けていくかどうかはわかりません。コスト削減のために始めた環境に配慮した行動が、そのまま持続的なライフスタイルとなり、環境問題についての懸念が世界中の消費者にとって重要な関心事となっていくことを願っています」と述べています。

今回の調査では、経済問題が最も重要だと考えている消費者が多いのは確かですが、一方で多くの国の人々が環境について強い懸念を抱いています。最近の行動に変化が生じた主な理由(2つを選択)のうちの1つに、環境への懸念を挙げた人が大勢みられました。17カ国の消費者の55%が「環境問題に深い懸念を感じる」と答え、そうでない人はわずか14%にすぎませんでした。

環境問題についての懸念が最も強かったのは、中国、韓国、ブラジルの消費者でした。地球規模の問題として挙げた12の項目のうち、大気汚染や気候変動/地球温暖化、水質汚染が4〜6位に入っています。上位3つは経済や燃料価格、貧困の順でした。こうした環境問題に不安があると答えた消費者も3分の2にのぼりました。

調査国17カ国の消費者10人のうち6人が、「人類は未来の世代のために環境を改善しなければならず、それには消費を減らす必要がある」と答えており(「そうは思わない」と答えた人はわずか12%)、消費者が自分の行動と環境を結びつけて認識していることがわかります。

2008年と2009年の総合得点の変化を見ると、ランキングの高い途上国の消費者の方が先進国に比べて点数の増加が小さい傾向にあります。これは経済が発展して、より高い生活水準を求めるようになったため、消費行動が増えたことが影響しているものと思われます。経済の発展によってグリーンデックス得点が下がってしまうのではないかという危惧もありますが、それでもほとんどの国で得点が増加しています。

「エネルギー消費が集中している一部の国々では環境に対する関心の低さが目立ち、経済が急速に伸びている多くの国々では消費主義が拡大している。これこそが、現在の政治と産業が直面している課題といえるでしょう。どちらの国々においても、消費行動全般にわたって、より持続的な選択を生み出すことがきわめて重要ではないでしょうか」と調査分析会社グローブスキャンのロイド・ヘザリントンCEO(最高経営責任者)は指摘しています。


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