調査方法
本調査を行う上での主な要素は以下の4つである。
専門家集団による定性調査
本調査の質問表は、部分的に専門家による定性調査の内容に基づいて2008年に開発された。追跡調査を行うため、2009年、2010年も質問の大半は昨年と同じものを使用している。基礎となった定性調査には、持続可能な消費生活を実現するために個人が取るべき行動で、専門家が重要だと信じるものが挙げられている。専門家は、並々ならぬ熱意を持って世界規模のサステナビリティ(環境を破壊することなく資源利用を持続すること)の向上に努めてきたプロであり、関連するサステナビリティ振興組織(主にシンクタンクや学術研究機構、主要NGO(非政府組織)、そしてコンサルタント会社など)においてリーダー的役割を果たしてきた人物たちだ。更には民間企業を代表するパネリストも多数参加している。候補者の選定にあたっては、米国ナショナル ジオグラフィック協会が持つ科学分野の専門家ネットワークに加え、国際世論調査機関グローブスキャンの職員や顧客、そしてサステナビリティ専門家のネットワークも利用した。パネリストは、主に環境関連科学、社会科学、ビジネス分野に関連づけて分類された上、地域別に分けられた(北米、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、中南米)。面接は電話で行われたが、時差や言葉の問題を解消するために電子メールで面接を行った人もわずかながらいた。面接の実施期間は、2007年9月10日から10月2日の間である。2009年、2010年は面接は行われなかった。昨年作成された質問票は長期にわたり使用することを前提につくられたものであり、最新の調査で使用するのに適切だったからだ。専門家に対する面接の概要についてはこちら。
17カ国における定量調査
米国ナショナル ジオグラフィック協会とグローブスキャンは、2010年2月1日から4月26日の間に国際的な消費者調査を実施し、グリーンデックスの結果を得た。世界17カ国から各国1000人ずつ、18歳以上の成人がこのオンライン調査に参加した。実際の調査作業を行ったのは、グローブスキャンにインターネット調査員を提供したマーケリティックス社である。以下に調査対象国を列挙する。
- アルゼンチン
- オーストラリア
- ブラジル
- カナダ
- 中国
- フランス
- ドイツ
- ハンガリー
- インド
- 日本
- メキシコ
- ロシア
- 韓国
- スペイン
- スウェーデン
- 英国
- 米国
調査は、実際には定量調査で行われた。調査項目は、食品の産地と消費量、交通手段、エネルギー利用状況、ゴミの廃棄状況、環境に優しい物品を購入するか否か、そして環境関連の様々な問題に対する態度についてなどである。
定量調査のサンプル(対象者)抽出にあたっては、人口統計上特定の層に偏りが出ないよう、学歴、年齢、性別につきそれぞれ人数に上限を設けた。また、各国最新の国勢調査データをもとに、調査データの加重値を算出し、各国の人口構成の特徴を反映させた。
1国あたりの誤差はおよそ±3.1%、信頼度は95%である。
2008年、グローブスキャンはナイジェリアとエジプトにて、18歳以上の成人1000人を対象に対面調査を実施した。ただし、対面調査の結果は、上記に詳述した2008年から2010年のオンライン調査の結果とは比較対象にならない。そこで、昨年行われた初めての調査で、米国ナショナル ジオグラフィック協会は、この2カ国については調査対象とするものの、個別に結果を集計することにした。そして、今後ナイジェリアとエジプトでインターネットが普及し、将来オンライン調査が可能となることを見込んでいる。
グリーンデックス得点の算出
グリーンデックスでは、65の指標に沿って、消費行動および物に関する生活様式を調査する。数多くの指標を採用したのは、結果に偏りが出るのを防ぐためである。これより数が少ないと、結果が偏る可能性がある。
構造としては、グリーンデックスという1つの大きな項目の下に4つの項目(住宅部門、交通機関部門、食品部門、物品部門)がある。物品部門では、日常の消費とゴミの廃棄に加え、家電製品など高価な品の所有状況も対象とする。
回答者は、各自の消費パターンが環境に与える影響に応じて点数を稼いでいく。消費者がとる一定の行動に対して点数が加算されたり減点されたりし、各項目の総合計が各人の得点となる。
持続可能な消費行動項目の大半は、グリーンデックスの主要項目内で一様に加重される。環境への負荷が明らかに他より大きかったり、逆に少なかったりする項目の加重割合は大きめになっている。(例えば、暖房設備の項目や大型自家用車を1人で利用するかを問う項目など) したがってそのような行動は、グリーンデックス得点に大きく影響することになる。
消費行動に関し、回答者が住む場所の地理や気候、さらに文化、信仰、他と比べて環境に優しい製品を手に入れやすいか否かといった事情は一切考慮していない。グリーンデックスは、個人が環境に与える影響を包括的に示す指標として位置づけられている。
マーケット・バスケット
この「マーケットバスケット」とは、環境と調和した持続可能な消費生活に重要な4つの領域(エネルギー、交通手段、旅行、消費財)における現在の消費の指標群である。各国のマーケットバスケットは、エコノミスト・インテリジェンス・ユニットとオフィシャル・エアラインガイド(OAG)ワールドワイドが独自に収集したマクロ経済指標を使ってまとめられた。このマクロ経済指標は、グリーンデックス調査の対象である消費行動の一部を反映している。以下にマーケットバスケットの指標を一部列挙する。
- 人口とその増加率
- 購買力平価(PPP)で見る国民一人あたりの国内総生産(GDP)
- 国民一人あたりのエネルギー消費量
- 乗用車の登録台数
- 国民1000人あたりの国内・国際線航空機の搭乗者数
- 家計におけるホテルやレストランへの支出額
マーケット・バスケットを作成した目的は、消費行動の変化を長期的に評価することにある。たとえばグリーンデックスでは各国内で消費者がエネルギー節約のためにとっている行動を評価するが、マーケット・バスケットではその国全体のエネルギー消費の総量が増加しているかどうかに着目する。マーケット・ バスケットはまた、各国の規模や成長率が環境に与える相対的な影響の度合いを長期的に比較する枠組みにもなる。
グローブスキャンについて
グローブスキャンは世界規模の世論調査や個別調査を行うコンサルタント会社だ。その独自の専門知識・技術により、企業や多国の機関、政府、非営利団体から世論や環境問題などの各種調査や出版物の管理を請け負っている。世界規模の組織に対して調査結果に基づく分析結果やアドバイスを提供し、強力な商標の立ち上げや主要な出資者との連携の構築、戦略の策定などに貢献している。その調査ネットワークは90カ国以上に及び、2008年度に品質管理基準 ISO9001に準拠していることが認定されたほか、国連のグローバル・コンパクトにも参加している。設立は1987年。ロンドンとトロント、サンフランシスコに拠点がある。 www.globescan.com.


















