マイケル・ヤマシタ=写真家
マルコ・ポーロは、本当に中国に行ったのか---。すべてはこの疑問から始まった。
ロンドンの大英博物館の中国部主任フランセス・ウッドは、1996年に出版した著書の中で、マルコは中国を訪れてはいなかったと明言している。
マルコ・ポーロが旅した地域を取材でよく訪れ、何度もその足跡に遭遇している私は、このイタリア人"旅行家"に肩入れしたい気持ちにかられた。シンガポールではマルコ・ポーロ・ホテルに泊まり、ベネチアでは彼の名をとったレストランで食事をし、香港に行ったときはその名の観光船に乗り、インドネシアではマルコ・ポーロというタバコをふかし、北京でも彼の名を付けた店で服を買った。
これほど多くの人々に読まれた本が、その名が多くの起業家たちを勇気づけ、子供たちにまで親しまれているマルコ・ポーロがインチキだなどということが本当にあるのだろうか。
この際、彼の「東方見聞録」をガイドブックとして偉大な探検家の足跡をたどり、こうした疑問を一挙に解消してはどうだろう。当時から700年もたってはいるが、彼が記したすべての土地を訪れ、残る証拠を撮影しようと考えた。
私は写真家として「ナショナル ジオグラフィック」誌の編集長に企画を提案した。企画は走り出した。私はカメラ4台とレンズ1ダース、山のようなフィルムと「東方見聞録」を携えてマルコ・ポーロの足跡を追う旅に出発した。
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「ナショナル ジオグラフィック」誌の契約写真家。
1949年、米国サンフランシスコ生まれ。ウエズレイアン大学(コネチカット州)でアジアの歴史を専攻、1971年に同大学を卒業後、日系3世としてのルーツを求めて日本へ。この時から写真を本格的に撮り始める。1979年から「ナショナル
ジオグラフィック」誌に定期的に寄稿。アジアを題材とした数多くの写真を手がける。2001年5月号から3号連載の「マルコ・ポーロの大冒険」の写真を担当。米国図書販売協会のベンジャミン・フランクリン賞、米国ガーデン・ライターズ協会賞などを受賞。ニュージャージー州在住。
(C)Ira Block