トップ > スペシャル > シルクロード憧憬 > 鄭和 ダイジェスト

再見 鄭和の西方大航海
海のシルクロードを行く


マイケル・ヤマシタ=写真家

 極東に詳しい写真家として、私は毎年、1年の半分をそこで過ごし、アジアの最新事情に通じている方だと自負していた。だが、2003年、鄭和(ていわ)という名前をはじめて聞いたとき、思い浮かぶことは一つもなかった。

  それは、義兄がギャビン・メンジーズの『1492:中国が新大陸を発見した年』という本を送ってくれたときだった。「きみの次の仕事だよ」という付箋がついていた。

  この挑発的なタイトルの本を読み、私はこの本の主人公、鄭和のことをはじめて知った。謎の人物、艦隊司令官鄭和とはどんな人物なのか。どうして私は彼の名前をいちども聞いたことがなかったのだろうか。

  メンジーズのおかげで、私は、鄭和がアジアの最も偉大な探検家であり、第一次世界大戦以前の歴史を通じて史上最大の艦隊を率いていたことを知った。身長2メートルの大男鄭和は、コロンブス、ヴァスコ・ダ・ガマ、マゼランより前に、大船団を率いて世界を探検し、7回の大航海を指揮した。鄭和の業績は、それまで私が知っていたすべての探検家がかすんでしまうほど、大きなものだった。

  マルコ・ポーロの名声と比べて、鄭和は西洋でほとんど無名という信じられない状態であった。彼の探検はアメリカには到達していなかったとしても、コロンブス、ヴァスコ・ダ・ガマ、マルコ・ポーロの探検をしのいでいる。だが、鄭和が知られていないことは、私にはプラスだった。今まで誰も聞いたことのない探検家を世界に伝えるチャンスであり、写真家としては夢のような仕事だ。私はこの計画に夢中になった。義兄は正しかった。鄭和は私の次の大きな仕事になった。

ナショナル ジオグラフィックの
写真集/DVDセット商品

シルクロード憧憬


ナショナル ジオグラフィックの人気写真家、マイケル・ヤマシタがたどる陸と海のシルクロード。 2冊の写真集と2枚のDVDで旅情あふれる壮大な旅へ

お申し込み、詳細はこちら

マイケル・ヤマシタ(Michael Yamashita)

「ナショナル ジオグラフィック」誌の契約写真家。
1949年、米国サンフランシスコ生まれ。ウエズレイアン大学(コネチカット州)でアジアの歴史を専攻、1971年に同大学を卒業後、日系3世としてのルーツを求めて日本へ。この時から写真を本格的に撮り始める。1979年から「ナショナル ジオグラフィック」誌に定期的に寄稿。アジアを題材とした数多くの写真を手がける。2001年5月号から3号連載の「マルコ・ポーロの大冒険」の写真を担当。米国図書販売協会のベンジャミン・フランクリン賞、米国ガーデン・ライターズ協会賞などを受賞。ニュージャージー州在住。
(C)Ira Block

BACK NUMBER